深夜のドバイで4時間の乗継ぎを経て、シンガポールに13時50分に到着。出発まで数時間のゆとりがあるので、空港で用意されているフリーツアーに参加することにしました。これは正規の出国手続をとることなく、一時的に無国籍人になって空港指定のバス&ボートで市内要所の観光を行うというもので、何と無料。空港内にある受付カウンターで早川TLが手続を行ってくれて、我々はパスポートを空港に預けた上で現地のガイドに引率されます。他にもいろいろな国の人がこのツアーに参加していて、バス2台に分乗して市内に繰り出しました。
以前『リー・クアンユー回顧録』を読んで以来興味を持っていたシンガポールの街を、バスは渋滞にぶつかることもなくすいすいと進みます。幅の広い車道の両側には高い街路樹が見事に手入れされて果てしなく連なっており、市街地に入ると近代的な高層ビルが次々に現れました。猫目小僧のような顔だちの女性ガイドは気合いの入った英語(「Singlish」と呼んでいました)で、シンガポールの歴史のこと、民族構成、4つの公用語(英語・中国語・マレー語・タミル語)、そして民族融和について説明してくれます。やがてバスを降りて少し歩くとラッフルズの像が立つ広場に出て、目の前は河口。ここで12人ずつけっこう大きなボートに乗りかえて、いよいよお待ちかねマーライオンとの御対面です。「世界三大がっかり」などと揶揄されるマーライオン(あとの二つは知りません)、身長8mの純白の彼は、かつては雄々しく海を睨み付けていたでのでしょうが、今は周囲を道路や建物に囲まれてなんだか寂しそうです。それでも我々は、愛しのマーライオンに出会えて満足。ドバイからの飛行機の中で「シンガポールに着いたらマーライオンを見に行こう」と話し合っているうちに、いつの間にか我々の好奇心は愛情に転化していたのでした。

真っ白なラッフルズ・ホテルの前を通り、チャイナタウンやスピーカーズ・コーナー(市民が自由に演説できる場所として2000年に開設されたものですが、ガイドは「シンガポール人は政治の話よりも食べ物の話の方が好き」とジョークを飛ばしていました)を眺めて、1時間半程の「リー・クアンユーの国」の観光を終了。完璧に整備された人工の美しい街に感歎しつつ空港に帰り着いて、バスを降りるときにはお土産のミネラルウォーターまでももらえました。