水のシーズンを迎えて各方面から続々沢の便りが届いていたので、遅ればせながら私も沢登りを計画。今年最初の遡行は、丹沢でも手頃な半日コースとされるモミソ沢をチョイスしました。この沢は水量が少なく、すべての滝が直登可能で、足慣らしにはちょうどいいでしょう。ただし、最後の大滝12mはIV級程度あり、ロープでの確保を要します。
家をゆっくり出て渋沢からバスに乗って、大倉から吊り橋を渡ってのんびり林道を歩きます。今日の沢は遡行時間が短いだけに何事にもゆっくりモードでアプローチします。天気は曇りで、山の上の方はガスに覆われていますが、時折思い出したように日が射したりします。やがて大倉から1時間程で新茅沢にかかる橋に着いて、ここは手前(大倉側)の斜面からスニーカーのまま沢筋に降り、そのまま水無川本流まで下りました。

水無川本流に着いてみると、音に聞く懸垂岩ではどこかの団体が岩登りの練習中。それを見上げながら沢装備に履き替えて、おもむろに本流を渡り、懸垂岩の左端にひっそりと流れ込んでいるモミソ沢に入ります。気温も上がってきているので、上はTシャツ1枚のいでたちです。それにしてもこの沢の入口は実に貧相で、あらかじめ知っていなければここに入ろうという気にはならないでしょう。

狭く暗い沢筋に入ってすぐに5〜6mの滝。右壁から難なく登れそうですが、あえて水線通しに登ってみました。しかし、自分の動きが明らかにぎこちないのがわかります。ウェーディングシューズへの信頼感が戻っておらず、フリクションで登るのが何だか妙に怖く感じます。3m二条滝(下左写真)でもそうした不安は続きましたが、時間はあるのだからと自分に言い聞かせて努めて慎重に遡行を続けます。左から豊富な水量を落とす支沢を過ぎ、さらに小滝を次々に越えて右への屈曲地点にある3段11m滝が中盤のハイライトで、下2段は何ということもありませんが3段目(下中写真)は立っている上にホールドが細かい。向かって左の方がホールドが大きいように見えますが、万一ホールドが欠けたりしたときのダメージはテラスの上に立っている右側の方が小さそうです。それによく見れば、右の壁にはペツルのハンガーボルトまでベタ打ちされています。これはちょっとやり過ぎだろうという気もしましたが、とりついて見ればホールドも意外にしっかりしていて、そのまま上へ抜けることができました。

沢が左に曲がると、狭いゴルジュの中に引き続き立った小滝(上右写真)が続きます。しかしこの頃になると、身体が沢登りの感覚を取り戻してきて、最大限のフリクションを得るための身体のフリ込みやドロップニー、ゴルジュでの手足の突っ張りなどのムーヴの楽しさも蘇ってきました。と思う間もなく、くだんの大滝登場。




