新宿発富士山五合目行きのバスが中央高速の渋滞で大幅に遅れ、昼前には終点についているはずのところが実際には13時半到着。カレーライスの昼食をとって歩き始めたのは14時になってしまいました。
富士山

火口越しに見る剣ガ峯。朝日の中を、右からぐるっと回って最高点へ向かう。(1998/08/09撮影)

「日本最高峰」の碑。日本百名山完登の瞬間。(1998/08/09撮影)

富士測候所のドームが建つ剣ガ峯。近くで見ると傷だらけだが、遠くからの姿には孤高の士の趣がある。(1998/08/09撮影)
1998/08/08
■14:00 河口湖口五合 ■14:35 六合 ■15:40 七合
出だしからしばらくは水平の道を東へ回り、佐藤小屋の少し手前で斜上するようになります。途中の斜面はかつて冬山訓練で滑落停止の訓練などをしたところで懐かしい。一方、ここは一般観光客向けに七合まで馬に乗せてくれる商売が盛んに行われており、道のあちこちに馬の遺留物が残されていて少々臭います。春に大きな手術をしたあと初めての山行となるF女史も、六合と七合の間から上まで馬に乗せてもらいご満悦。七合まではざらざらの歩きにくい道ですが、七合から上は岩がちとなり、登山靴が道によくなじみます。

■17:15 八合=蓬莱館
だんだん暗くなり、上の方はガスがかかりだしたこともあり、今日の登りはここまでとして宿泊を申し込みました。予約の有無をきかれてどきっとしましたが、なんとか泊めてもらえることになりました。ところが、
ワタシ「明日御来光を見たいのですが、何時くらいに出発すればいいですか?」
小屋番「この時期は渋滞がひどいから12時半には発たないと山頂での御来光に間に合いません」
との話に唖然。とにかく早く食事をして寝ることにしましたが、夕食は昼と同じカレーライスでまたまた愕然。
1998/08/09
■00:20 八合=蓬莢館 ■02:10 本八合 ■03:00 八合五勺
0時ちょうどに起き出して表に出ると、御来光期待の登山者がぞろぞろと上を目指して「ゆく年来る年」状態です。ヘッドランプを頭につけて歩き出しましたが、月明かりと各小屋のサーチライトで道は思いのほかに明るいのですが、小屋番の言葉通り、登山者の渋滞のためになかなか上に進めず、徐々に寒さが身にしみてきます。途中の小屋でココアやおでん、甘酒など暖かいものを補給しましたが、八合五勺を過ぎると小屋もなくなり、寒さに震えながらひたすら行列が進むのを待つようになりました。このあたりから高山病の症状で道ばたで息もたえだえになっている登山者が目につくようになりますが、幸い我々は酸素不足には悩まされずにすみました。

■04:15 九合
冬の星座であるオリオン座が東の空にかかり、やがて徐々に夜明けの気配が漂い始めるなか、九合の鳥居をくぐりました。大人数のツアーで来ている登山者が多いらしく、ガイドが休憩を指示する声やトランシーバーの音など登山道はかなり賑やかですが、本格的な夜明けが近づくと誰もが御来光の瞬間を逃すまいと後ろを気にしながらの登りとなります。日の出は5時ちょうど。雲海がほぼ2,700mの高さに広がっており、その向こうから一気に白熱光での御来光となりました。
■05:30 久須志神社 ■07:30-55 剣ガ峯
河口湖口・吉田口からの頂上である久須志神社の鳥居をくぐり、山頂部に立ちました。立ち並ぶ休憩所の前は登山者でごったがえしており身動きもままならないほど。WCを使い、休憩所で朝食をとってから逆時計回りにお鉢めぐりに出発。快晴の空の下、富士山の周囲360度はすべて果てしなく続く純白の雲海ですが、北西側に回ったところで目の前に南アルプス全山が雲の上に姿を現しているのに出会い狂喜しました。南の光岳から北の甲斐駒までひとつも欠けることなく居並んでいます。よく見れば、その向こうには中央アルプス、右手奥には北アルプスが槍・穂から後立山連峰まで見渡せ、さらに八ヶ岳と浅間山も雲間に姿をのぞかせています。まるで懐かしい友人たちが、富士登頂を祝福してくれているかのように感じられました。

最高峰の剣ガ峯には測候所のドームが建っており、その右手に「日本最高峰」の碑があって記念撮影の行列ができています。私も行列に加わり、そそくさと撮影をすませました。この碑の目の前が3,775.6mの三角点で、ようやくこれで日本百名山が完登されたことになります。

■08:45 下山道標識 ■09:10-35 八合江戸屋 ■11:10 六合 ■11:35 河口湖口五合
剣ガ峯でゆっくり写真を撮りたかったのでF女史に先に下山ポイントまで行くように言って別れ、その後お鉢の残りを回りました。公衆電話で知人に電話をかけたりトイレに入ったりしてゆっくり下山ポイントに着きましたが、いるはずのF女史がいない?道を間違えて御殿場口へでも下ったのかとも思いましたが、のんびりしているからどこかで追い越したのかも知れないと考え、とりあえずざらざらのすべりやすいブルドーザー道を雲海めがけてジグザグに下りました。八合江戸屋で休みながらコースを見上げていると、案の定F女史がひょこひょこ下ってくるのが見えました。あちらも私が道を間違えたのだと思い、ばかだな〜と考えながら降りてきたとのこと。まったく緊迫感のないパーティーです。

さらに下って馬の匂いがしだすと六合が近く、そこから霧の中を歩いて観光客でごったがえす五合まではほんのわずかの歩きでした。