ポストマン

2008/04/16

プログラム同僚が「た、助けると思ってつきあって……」と言いつつ誘ってくれたのが、映画『ポストマン』。郵便局勤めの友人から買わされたチケットが2枚あって、一緒に行ってくれる相手に事欠いて私に白羽の矢が立ったようです。

主演は長嶋一茂?それも郵便配達員の話?なんだかマイナーな映画っぽいなあ、という予感は的中して、水曜日の夜に都内でも数少ない上映館であるシネスイッチ銀座に入ってみれば、席はがらがら。だいたい、こんなところに映画館があるなんて知りませんでした。

しかし、結論から言えばけっこう面白い映画でした。長島一茂演じる郵便局員は堅物だが誠実な配達員で、3年前に妻(大塚寧々)を病気で亡くし男手ひとつで中学生の娘(北乃きい)と幼い息子を育てていましたが、母の死を乗り越えられていない娘と進学のことで対立してしまい……といった親子の相克と和解を縦軸に、主人公が勤める郵便局の同僚や町の人々との触れ合いを横軸にして、そこにちょっとした謎解き(見事などんでん返しあり)の要素をふりかけ、少なくはない登場人物のすべてに行き届いた目配りをしながら、適度なテンポで2時間以内にまとめた手際の良さは見事です(監督:今井和久 / 脚本:鴨義信)。臨時教員役の原沙知絵もいい(校庭でタバコをすぱすぱ喫うのは「?」)し、妻の母役の野際陽子や、謎解きに絡む犬塚弘と谷啓のクレージーキャッツコンビもさすが。そして久しぶりに見たエンクミが、相変わらず可愛かった!彼女には1997年に日テレで放映していたちょっとシュールなサスペンス『FiVE』以来注目していたのですが、あれからもう10年以上たつなんて……。

小包キャンペーン 映画館に置かれたポスト

この作品、外房の海沿いの町が舞台で、ラストは海に面して灯台の立つ小高い丘の上、菜の花に囲まれた妻の墓の前で泣き崩れる主人公を空撮で写し、カメラが引いていくと雄大な景色が広がっていくというもの。惜しむらくは、ここでもう少しウェットな撮り方をすれば観客をもっと泣かせることができたはずですが、それでも、映画を「映画館で観る」ことのすばらしさを堪能させてくれる、見事なラストシーンでした。

シネスイッチ銀座での上映は、4月25日まで。