今日は前から気になっていた手塚雄二の絵を見に行こうと思っていたのですが、あらためて調べてみたら東京での展示は5月1日でおしまい。次に東京近郊で観られるのは9月の横浜です。以前この人の斬新な風神雷神を観てノックアウトされたので、9月は絶対見逃せません。
そんなわけでがらっと趣向を変えて、渋谷ピカデリーで『ライオンと魔女』(アンドリュー・アダムソン監督)を観ました。
こ、これは面白い。もともとナルニア国物語は小学生の頃から何度も何度も(以下20回繰り返す)読み返したクチなのでストーリーは隅から隅まで知っているのですが、よくここまで原作のディテールを再現しながら映画ならではのスピード感をつくりあげたものだと大感心しました。最初は主人公の子供達どうよ、みたいにも思いましたがいつの間にかぐいぐい引き込まれてしまって、終盤、ニュージーランドでロケしたという平原を埋め尽くす白い魔女の軍勢とアスラン軍の激突の場面なんか手に汗を握ってしまいました。大人でもOK、原作を読んでなくてもOK。ぜひ観てほしいものです。ただし、帰り際にエレベーターの前で女性二人組が「なんか続編につながる要素がなかったけど、全く新しい話が始まるのかしら?」などと言っているのを聞くと、つい「キミたち、『ナルニア国物語』というのはだね……」と1時間くらい説教を始めたくなってしまうので、そういう目に遭いたくない場合は、やはり簡単な予備知識くらいは持っておいて下さい。
ちなみに、ナルニア国物語全7巻のうち私が一番好きなのは全巻の中で最も異色な『馬と少年』、ついで『銀のいす』だったりします。前者は典型的な貴種流離譚で、人間界からの子供が主人公ではない唯一の作品ですが、何より中東〜インドを念頭においたエキゾチシズムが魅力的ですし、後者は北辺の暗い気候から地下国へと下っていく陰鬱さがこれまた独特。このように対照的な辺境の景色を今後公開されるであろう続編でどう見せてくれるかが、今から楽しみです。