横浜美術館で開催されている中国文明展へ行ってきました。
こちらもまたすごい混雑でなかなか進まない列にうんざりしましたが、殷(BC1600〜)・周(BC1023〜)時代の青銅製の遺物はサイズが大きく、驚異的な技術による緻密な造形と文様に圧倒されてしまいました。また、近年話題の三星堆文化の奇怪な人面などもあり、古代中国の青銅鋳造技術の粋に触れることができたのは収穫でした。これらは今でこそ青緑色にくすんでいますが、作られたばかりの頃は金色にまばゆく輝いていたに違いありません。そのような金属器に囲まれた古代中国王朝の宮廷とはどのような世界だったのか、興味津々です。そして御存じ秦の始皇帝の兵馬俑。3体の将軍・兵士が昂然と観衆を見下ろしていましたが、そのスーパーリアルな表情には圧倒的な存在感を感じます。
展示は先史から殷・周、春秋戦国を経て秦・漢に達し、さらに南北朝を経て隋・唐で終わっており、その中でも殷・周時代の遺物が充実していますが、見終わって今ひとつ釈然としない気持ちになるのは、中国における「古代」の定義がはっきりしないからでしょう。春秋戦国にしろ漢にしろ、様々な文化的影響を受けている我々にはなじみの深い世界であって古代文明と言われてもぴんときませんし、漢末〜三国時代における戦乱がもたらした生産力の低下が漢民族の絶滅ともいうべき人口激減をもたらし、文化の担い手としての地位が北方の胡族に委ねられた時点をもって古代を終わりとするなら隋・唐は余計。この点についての主催者側の意図を聞いてみたい気もしました。

